カラカス体験 [ギアナ高地]
朝、カナイマ空港を出発して、10人も乗れないような小さな飛行機でプエルトオルダスまで行き、さらに大きな飛行機に乗り継いで、夕方にはベネズエラの首都、カラカスまでやってきた。
カラカスでは、空港近くのホテルに泊まる。今回の旅行では最高に立派なホテルだ。
ホテルの斜め前にはスーパーマーケットがあるので、連れていってくれるという。いつもだと一人で行くのだけど、旅行中に感じた異常なインフレによる社会の不安定さが気になって、みんなにくっついていくことにした。今まで、お土産らしいお土産は買っていなかったので、お土産にラム酒でも買おう、とツアー仲間のほぼ全員が考えていたと思う。
スーパーに入って驚いたのは、品物がないこと。
棚はあるのだが、品物を置いていないところもある。品物を置いているのは、生鮮品など、買い置きがきかないもの。
日本でも一昔前に、トイレットペーパーが棚からごっそり消えたことがあった。そのときはオイルショックによる物資不足の懸念や、インフレを見込んで買いだめが起きたのだ。
ベネズエラのインフレは世界一なので、住民が買いだめに走っているのだ。
ラム酒は、棚にあったので、ツアー仲間は、ラム酒をかかえて、レジに並んだ。10人以上並んでいたが、すぐに順番がくると思ったのだ。ところが、レジでは一人の買い物の精算に5分以上かかっている。カードをどこかに突っ込んだら、しばらく応答を待っている。カード精算はコンピューターでやっているようだが、その処理に猛烈な時間がかかっている。
レジの行列は、いつものことらしくて、並んでいる人たちは、怒り出すこともなく、忍耐強く待っている。
結局、レジを通るのに、1時間以上もかかってしまった。住民は、多分、今買わないと、明日になると倍の値段になってるやもしれず、ともかく今日の値段で買いたいのだろう。
インフレの恐ろしさをまたみてしまった。
今まで人も住んでいないようなところを旅行していたので、あまり感じなかったが、カラカスのような都市部にくると、経済破たん寸前の深刻さがひしひしと感じられる。
買い物の後は、ホテルで夕食になったが、なんと個室を用意してくれている。
ウェルカムドリンクはミントが入ったカクテル酒だ。
前菜は、モッツァレラチーズとトマトなどのよくあるサラダやスープが選べるようになっている。
久しぶりのまともなコース料理なので、写真に撮った。
下はメインディッシュ。
左(上)が牛肉で、右(下)が魚。魚のあしらいが、けっさくなので、これも写真に撮らせてもらった。こんな魚が出てくるとは思っていなかった、とは魚を頼んだ人の弁。
私たちがこんなぜいたくをしているのをベネズエラの庶民が知ったらどうだろう、と思わざるを得ない。
個室で見えないようにしているのも意味があるかもしれない。
さて、次はデザート。ケーキと果物のどちらかを選べる。果物を頼んだ人は、またびっくりすることになった。桃のようなものと小さなリンゴが1個ずつにスイカやパパイヤが盛られている。
飛行機便の都合でカラカスに泊まるスケジュールになっているが、カラカスでは空港近くのホテルに缶詰めになっていたのだった。多分、都心に観光客がいられるような状況ではないと思う。
翌早朝、カラカスを出発した。
パナマで飛行機を乗り換えるので、パナマ運河が見られるかと期待したが、窓際席にならなかったのは残念だった。
パナマ空港は、さすが、パナマの飛行機会社コパエアラインズの飛行機ばかりが並んでいた。
パナマで飛行機を乗り継いで、今度はロサンゼルスまで戻ってきた。ロスアンジェルスから日本往きは10数時間もの待ち時間が生じるとのことで、またロサンゼルスに泊まる。日本に帰るのも大変だ。
ロサンゼルスでは、空港近くのホテルに泊まった。ホテルの部屋からは飛行機がよく見えた。
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