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100年間列車を運んでいる線路 [マチュピチュ・ウユニ塩湖]

マチュピチュ駅(アグアスカリエンテス駅)をお昼過ぎに出発するビスタドームに乗り、オリャンタイタンボまで戻る。帰りは、川側の席が取れた。午前中のインティプンクまでのミニハイキングでくたびれてはいるが、せっかくの川側の座席だ、窓からの景色を楽しもう。
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山側は、目の前の山肌しか見えないのだが、川側は、展望が開けている。

電車が動き始めてすぐに目につくのが、段々畑だ。山の上の遺跡にあったのと同じつくりだ。使われていないと見えて、半ば土に埋もれている部分もある。

マチュピチュを1911年に発見した考古学者のハイラム・ビンガムは、この段々畑に興味を持った。オリャンタイタンボからウルバンバ川を下ってくるとき、この段々畑が続いているのをみて、きっと遺跡があるに違いないと思ったそうだ。というのも段々畑はインカの文化だったからだ。土地の少年が、使っていない段々畑は上のほうにもある、というので、上まで登っていったところにマチュピチュ遺跡が眠っていた、というわけだ。
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電車は単線なので、対向列車待ちがある。
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対向列車が通り過ぎると、そろそろと電車が動き始める。川の流れが線路のすぐ近くにある。これでは洪水が少しでもあると浸水してしまいますねぇ。
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どうしてこんなに危険な川のそばに線路を作ったのか、と不思議に思う。それにマチュピチュ村までの交通機関は、電車しかないのだ。

ペルーに汽車が走ったのは、1851年で南米で初だ。ちなみに、日本で初めて汽車が走ったのは、1872年、新橋、横浜の間。ペルーでは日本よりも20年も早い時期に線路が敷設されたのだ。

クスコからマチュピチュを通って、さらに奥のキャバンバまでの鉄道敷設がペルーの国会で承認を得たのは、1905年、建設は1907年である。なんと、ハイラム・ビンガムがマチュピチュを発見する1911年より5年以上も前に鉄道が建設されはじめたのだ。鉄道の終着駅であるキャバンバまでの線路が完成したのは1928年。
マチュピチュを通る鉄道は、アマゾンのジャングルの中にあるキャバンバで採れるカカオやコーヒーをペルーの海岸まで輸送し、さらに海外へ輸出するための鉄道だったのだ。

今では、マチュピチュからキャバンバまでの20kmほどは、1997年の洪水による崖崩れで廃線になっているとのこと。私が、マチュピチュの大洪水で旅行取りやめになったのは、3,4年前のこと。つまり、この鉄道は、常に洪水の危険にさらされているということではないか。

線路が使えなくなったキャバンバのカカオやコーヒーは、今では迂回路を車で運ばれているらしい。今となっては、線路を作りなおすより道路を新しく切り開くほうが国全体のコストパフォーマンスがいいということだろう。

ではマチュピチュへの交通機関は、今後道路に代わっていくのだろうか。そういうはなしは聞こえてこないところをみると、電車で行くマチュピチュということ自体に付加価値ができてしまっているし、観光客を運ぶくらいでは道路建設のメリットが少ないということなんだろうと思う。観光客を大量に運べたとしても、マチュピチュ遺跡自体が悲鳴をあげることになるだろう。そうでなくてもシャトルバスである程度の人数制限を行っているのだから。

100年間、走り続けている列車。何度も洪水被害を受けながら頑張っている鉄路。スゴイネェ。

窓の外に気を取られている間に、車内ではいつのまにか、音楽に合わせて、鬼の仮面をかぶった派手派手ピエロが踊りまくっていた。そのうちお客さんまで連れ出して踊っている。
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どんちゃか騒ぎに続いてアルパカのファッションショーが始まった。モデルのお兄さんは、多分、さっき軽食を配っていた人だ、ちょっとかっこいい。
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女性のモデルも出てきて、何着か、披露していた。土産物屋でみるアルパカのセーター類よりは、はるかに洗練されているのがわかる。

だけど、せっかくの川側の席なので、外もみていたい。川沿いに、段々畑がオリャンタイタンボまで続いているのだった。ハイラム・ビンガムさんは、これをたどっていったのね。
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トンネル技術もまだなかったころの鉄道敷設なので、川に沿ってくねくねと曲がった路線だ。マチュピチュ村からオリャンタイタンボまで800mの標高差を登っていくにつれ、熱帯雨林のジャングルは消え、乾燥気味の山が見えてくる。
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河原にすすき!!
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オリャンタイタンボが近づいた。ここで電車を降りて、バスに乗る。クスコまではバスでショートカット。

往きに見たのと同じ風景がひろがっていて、なんだかなつかしい。
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オリャンタイタンボの山々。
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バスが峠にさしかかると、オリャンタイタンボの町が広がる。遠くに雪を被ったアンデスの山が見える。
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ここで標高2800mのオリャンタイタンボとはお別れ。ここから標高3400mのクスコまで、バスでさらに標高差600mを登っていく。
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オリャンタイタンボからクスコまでは、豊かな田園風景が広がる。3日前に来た道を戻っている。来るときは、朝だったけど、今は夕方。

あら、ソラマメの花だわ。実を塩ゆでしたのが大好物なので、我が家の猫の額の畑で作ろうとしたが、うまくできなかったことを思い出した。
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同じ風景を往きでも見たが、午後の光のほうが、色が濃くなる。
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ジャガイモの花が満開だ。スーパーではみたこともない種類のジャガイモが売られていた。10種類くらいあったかしら。
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標高からすると、このあたりが最も農作物に適しているのだろう。
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