左側通行のガイアナから右側通行のブラジルへ [ギアナ高地]
飛行場の前の道路を横切った羊たちは、整然と並びなおして、過ぎ去った。
だが、羊さんたちよ!、この道路はAirPort Road、と書いてあるでしょ、車も多いし、気を付けてね。
国境近くの飛行場なので、これから飛行機に乗る人、見送りの人などで、結構にぎわっている。
だけど、皆様、どこへ、なんのために出かけようとしているのかが、今一つ理解できない。ここはブラジル国境近くのガイアナの飛行場。ブラジルから陸路で国境を超えて、ガイアナ観光に行くにしては、この地点での国境越えは、あまり地の利が良くない。ガイアナの首都ジョージタウンまで、飛ぶとすると、陸路ではなくブラジルから直接、飛行機で国境をこえるだろう。
このスタイルは、やっぱり観光かなぁ。
こちらは、子供連れ。
リゾート気分の人たちは、どうやらこれから飛行機に搭乗のようだ。フェンスの開いたところが搭乗ゲートだ。
それにしても、私たちがこの小型飛行機に乗るときは、手荷物込みで体重計に乗り、管理されたのだけど、この人たちは、どこで体重計にのったのかなぁ。体重が私の2倍くらいありそうな人たちばかりだから飛行機も大変だ。
飛行場の周囲の道路は、子供たちが下校中だった。
こちらにも・・・。子供たちの制服は日本の中学生にそっくりだ。
さて、で、私たちのグループはここで、飛行機を降りたあとは、4WD車3台に分乗して、ブラジルのボアビスタに向かう。
ガイアナに到着した夜にすぐに預けてしまったスーツケースは、ジョージタウンからはるばる陸路でここまで運ばれて、無事、積み替えられていた。小型飛行機には乗せられなかったのだ。2日ぶりに自分のスーツケースを確認できた。
ここは、ガイアナの出国管理事務所。今までみてきた国境の中で、一番寂しいたたずまいだ。だぁーれもいない。係官が暇そうにしている。
ここが国境。向こうはブラジルとの緩衝地帯、手前はガイアナになる。
ガイアナの出国ゲートらしい看板があった。
これらの生物は、輸出許可証が必要なもの。
こちらは輸出禁止の生物。
この看板を見ると、ガイアナの希少な生物がなにかがわかる。マングローブの生い茂る海岸でみたショウジョウトキも、輸出禁止になっている。オオウミガメやピューマも生息しているのだ。
ガイアナの出国検査のときに係官から聞いたはなしだと、日本人のツアーグループでガイアナからブラジルに抜けるのは、私たちがはじめてではないか、ということだった。スゴ~~イ。個人ではあるのでしょうけど。
逆に言うと、そんなに人気がないということかもしれない。
だけど、カイエトゥール国立公園のジャングルと滝は、ギアナ高地の一部を構成しているので、ギアナ高地全体の地域を知る上でも、やはり、行ってよかったと思う。
カイエトゥールに行くと、そこからギアナ高地のふところに入っていくには、ブラジルを経由する方法しかなくなる。
ギアナ高地のロライマ山の山頂が、ガイアナとブラジルとベネズエラの3国の分岐点になっている上に、ガイアナからベネズエラに抜ける道はないのだ。ギアナ高地にはばまれて、ブラジルから回り込んでベネズエラに入るしかない。
4WDは、ブラジルに入ってからひたすら走る。景色はサバンナの草原だ。道がまっすぐ。右側通行になった。前を走るのは私たちのグループの1号車だ。
ガイアナでは車はイギリスや日本と同じで、左側通行だが、ブラジルは、右側通行になる。
ガイアナからブラジルに入るとき、道路が立体交差になっていて、車線を左側から右側に変更できるようになっている。なんて賢いのだろう!!!!
このあたりも川が多い。
小さな川はやがては大きな川に流れ込んでいく。
カイエトゥールなどのギアナ高地のガイアナ側から流れ出る水は、ガイアナのエセキボ川に合流していく。
ギアナ高地のベネズエラ側から流れ出る水は、ベネズエラのオリノコ川になっていく。
同じく、ギアナ高地のブラジル側から流れ出る水は、アマゾン川になっていく。アマゾン川は、ギアナ高地からの水も集めるが、アンデス山脈の水も集まってきているから巨大な川になっている。
水系まで含めた川が国境を決める決め手になっているのは、おもしろいことだ。
そういえば、古代ローマの国境はライン川とドナウ川とユーフラテス川の川自体だった。
大きな川が見えた。もうこの辺はアマゾン川の支流になるはず。
ガイアナの国境レセムから、ブラジルのボアビスタまでは100kmくらいかな。
あまり時間もかからずに、ボアビスタに入った。ここは緯度3度だから、ほぼ赤道直下だ。熱帯らしい街路樹だ。
ボアビスタの人口は28万人だから、大きな町だ。ブラジルの最北部に位置する。
こういう斬新な建物もあった。
写真のレストランで夕飯を食べた。現地の人たちが来る庶民的なところだ。ブラジルらしく陽気で、肉食中心だ。
ボアビスタは、本当に泊まるだけ。観光もなし。だからホテルも夕食を楽しむようなところではなかったのだった。
ブラジルは、また次回にでもじっくりと見て回ることにしよう。
朝食も簡単にすませて。
すぐに、ベネズエラに向けて出発だ。
あっけなく、ブラジル初体験が終わろうとしている。ブラジルのビザをとるために、わざわざ銀行の残高証明まで提出したのだった。
アメリカもそう。通過するためだけにESTAを取得しなければならない。一方、滞在する国であるガイアナやベネズエラはビザがいらない。なんともおかしなことだ。だけど考えてみれば、滞在するとその土地にお金を落とすが、通過するだけだとお金を落とさないから、なにがしかの理由でお金を落とさせる工夫が必要になるだろう。
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